つらい頭痛にさようならしましょう♪
- 2023年11月18日
- 院長のおはなし
どうもこんにちは。
院長です。
一気に寒くなってきましたね!
先月くらいまでまだ暑い~なんて言っていたのに、
もう一気に秋が終わって冬ですね。
体調を崩さないよう、お気を付けくださいね。
今回のお題は「頭痛」です。
いや、大変多いですね、頭痛で悩まれている方。
当院にも連日、頭痛でお悩みの方がたくさん来院されます。
自分のクリニックで診療するようになって、「こんなに頭痛でつらい人がたくさんいるんだ!」と思うようになりました。
頭痛といってもいろいろありますよね。
まずは、日常的によく見る頭痛から…
緊張型頭痛
長時間の同一姿勢、不適切な姿勢、運動不足などにより首や背中、肩のこりにより
頭が締め付けられるような頭痛を生じてしまいます。
日本に約2000万人いるといわれ、一番多い頭痛です。
そして
片頭痛
ずきんずきんと脈を打つように痛くなり、動くとひどくなります。吐き気を伴ったり、光や音、においに敏感になったりします。
症状が強いと仕事や日常生活ができなくなるほどつらくなります。
日本に約840万人いるといわれ、やはり高頻度に拝見する頭痛の一つです。
ストレスや月経、強い光などの刺激、アルコールなどさまざまな理由で誘発されます。
原因として、大脳皮質の異常な興奮や血管の異常な拡張、脳の血管の周りを取り巻いている三叉神経という神経が何らかの理由で興奮し、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などの神経ペプチドが放出されることで神経の炎症が起こって痛みが出現する、などの説があります。
さらに、しばしばいらっしゃるのが
群発頭痛
群発頭痛は片側の目の奥が激しくえぐられるように痛くなる頭痛で、目が充血し、涙を流したり鼻水が止まらなくなったりする頭痛です。20-40歳代の男性に多く、群発期と呼ばれるこの症状が1-2か月の間毎日のように続く時期があります。
原因としては、視床下部と呼ばれる部位が何らかの要因で刺激され、前述した三叉神経やそれに関連する副交感神経が興奮することで前述した痛みや様々な症状を呈すると考えられています。
飲酒により誘発されてしまうことがあり、注意が必要です。
ほかにもいろんな頭痛があり、
という分類でまとめられております。
お時間がある方は、一度見てみてはいかがでしょうか。
頭痛の分類の奥深さが味わえるかと思います。
ここまであげた頭痛は、
脳の画像に異常がない頭痛で、
一次性頭痛と呼ばれます。
で、脳にほかの病気を起こしていて生じる頭痛は、
総じて二次性頭痛と呼ばれます。
当院で診断した二次性頭痛の方の例を挙げます。
このかたは、もともと頭痛持ちではなかったのが、ある日急に頭が重だるい痛みを呈し当院を歩いて普通に受診されました。
脳の画像を取ったところ、
「くも膜下出血(矢印の白くなっている部分)」
でした。びっくりですね。
至急、救急病院に送り精査加療を行っていただき、無事回復いたしました。
このかたも、仕事中に急に左後頭部が痛くなり歩いて来院されました。
これは「MRA」という、脳の血管の画像です。
矢印のところ、細くなっている場所がありますが
ここで血管が裂けていました。
「動脈解離」
という病気です。
下手をするとここが原因で脳梗塞やくも膜下出血になり、命にかかわる事態になります。
この方も入院治療していただき、現在は回復しています。
などなど、頭痛と言っても
油断していると、恐ろしい原因が隠れていることがあるので、
やはり一度はしっかり脳の状態をチェックすることが必要ですね。
中には、頭痛持ちの方が痛み止めを使いすぎることで生じる
「薬物乱用頭痛」
という頭痛もあり、これも注意が必要です。
薬の使い過ぎで頭痛に効かなくなり、さらに頭痛薬が増えてどんどん悪循環に陥るものです。
頭痛薬を3か月を超えて月に10日以上内服していて、月に15日以上頭痛を生じている場合はこれに該当する可能性が高いです。
このような状態の方は、頭痛診療に携わる医師のもとに治療をうけることをお勧めいたします。
で、ここまでいろんな頭痛のお話をしてきましたが
当院では、頭痛の患者様については
頭痛問診票
を用いたり、またいろいろお話を伺い診察して
その原因を確認していきます。
頭部のMRIやCTによる精査も適宜行います。
原因が確認できましたら、その原因に応じた治療を開始していきます。
生活習慣改善から、薬物治療までいろいろ患者様の病状に応じて
一緒に考えて治療方針を決定していきます。
基本的には頭痛の診療ガイドライン
に準じて行っていますが、
結構、漢方薬とか好んで使うかもしれないですね。
(なかなか効くんですよ、これが。皆様驚くくらいに。)
また、片頭痛の治療薬として近年のトピックである、
片頭痛の原因物質と考えられている「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」を無力化して一気に片頭痛を起こしにくくする抗CGRP抗体薬、抗CGRP受容体抗体薬も患者様の状態に応じて導入いたします。
(これらの、CGRP関連のお薬は注射製剤でして、自宅で自己注射できるようにつくられています。「注射」といいますと、最初は嫌な感じがあるかもしれませんが、最近の自己注射製剤は、本当に扱いやすく、苦痛が少ないものになってきています。当院ではデモ機もありますので、手にとってご覧いただけますよ。)
先に述べましたように、
当院にもたくさんの頭痛の患者様が来院されております。
つらい頭痛の患者様が、治療によって
「すごい楽になった!」といっていただけるのは、
神経内科を専門でやっている医師としてはとてもうれしいですね。
もちろん、なかなかすっきりいかないこともあります。
その場合も、一緒に改善を目指していろいろ工夫してまいります。
この記事を読んでいただいている方で
頭痛について相談されたい方がいらっしゃいましたら
どうぞ一度いらしてください。
(来院される際には、ご予約いただくことをお勧めいたします。Web予約でも、お電話でも予約できますよ)
ここまでお読みいただきまして
大変ありがとうございました。
それでは皆様またですね。
我がクリニックの看板植物
ウンベラータさん。
今も大変元気に、来院される皆様をお出迎えしております。