あなたの震え、動きにくさ、歩きにくさ…それはお年のせいだけではないかもしれませんよ。現在、パーキンソン病の患者様が大変増えてきております。
- 2025年12月14日
- 院長のおはなし
どうも、院長です。
あっという間に今年も12月、もうすぐ今年が終わってしまいますね。
皆様、体調はいかがでしょうか?
さて、最近ですが
美川憲一さんがパーキンソン病に罹患したことがニュースになりました。
それ以後、来院される患者様から
「自分はパーキンソン病ではありませんか?」という質問をよく受けるようになりました。
ですので、今回は
パーキンソン病
について取り上げてみます。
パーキンソン病とは、
脳において、中脳の黒質にあるドパミン神経細胞が何らかの原因で少なくなり、身体の運動の調節などに関係しているドパミンという物質が不足することにより発症する病気です。

みんなの介護より引用
ドパミン減少により、身体の調節がうまくいかなくなるため、
運動症状として「振戦」「筋強剛」「運動緩慢」「姿勢保持障害」
非運動症状として「精神症状」「自律神経症状」「感覚障害」「睡眠障害」

慶応義塾大学病院 パーキンソン病センター ホームページより引用
など様々な障害を呈するようになります。
そして、
パーキンソン病は、アルツハイマー型認知症の次に頻度の高い神経変性疾患
であり、50歳以上で発症することが多いです。
40歳以下での発症は若年性パーキンソン病とされます。
日本においては、10万人当たり100-150人程度とされ、2020年の厚生労働省の調査では、国内では約29万人のパーキンソン病の患者さんが治療を受けていると報告されています。
2017年の時点での患者様の数は約16万人であり、すごい勢いで増加していることがわかります。
この傾向は全世界的であり、感染症になぞらせ
「Parkinson Pandemic」 という言葉が生まれているほどです。
さらに、高齢者に多い疾患であり、65歳以上では100人に1人が発症するとされています。
高齢化社会に伴い急激に増加しており、全く珍しい病気ではなく、むしろ「よくある病気」と考えてよいでしょう。

筑波大学 脳神経内科ホームページより引用しました。
世界的なパーキンソン病の激増ぶりを如実に示すグラフです。
残念ながら、まだパーキンソン病を根本的に治すことはできないのが実情ですが、早期診断および早期よりの治療(薬物治療、外科的治療)、リハビリテーションにより進行を遅らせることが可能となってきております。
このためパーキンソン病患者様の平均寿命は、一般人口の平均とほぼ変わらず「天寿を全うできる病気」となってきております。
ですが、そのためには適切な診察、診断が必要となってまいります。
よく患者様から伺うのが、
「だんだん動きにくくなってきたり、震えるようになってきたけれど、年のせいと思っていた」
というお言葉です。
診察してみると、パーキンソン病であったという患者様を
当院でも非常にたくさん拝見いたします。
この1年間に当院にパーキンソン病のため通院されている患者様は110名を超えておりました。
先述しましたように、パーキンソン病は、適切な治療を行うことで、症状の改善が図れ生活の改善が得られる疾患です。
もし、「最近震えたり、動きや歩きが遅くなってきた」というかたがいらっしゃいましたら、
「年のせい」と思う前に脳神経内科を一度受診されることをお勧めいたします。
もしかしたら、その症状は、治せる症状かも知れませんよ。
もちろん、震え、歩きづらさのみならず、頭痛、物忘れ、などなど

当院脳神経内科では様々な症状を拝見しております。
気になられた方は是非、当院にいらしてください。

クリスマスにてサンタさんになった
あかりと一緒にお待ちしております。
なお、ご来院の際には
お電話(045-534-5589)ないしはWebでご予約いただきますと診療がスムースになります。
是非よろしくお願いいたします。
ここまでお読みいただきました皆様、
ありがとうございました。
寒い日が続きます、
体調にお気をつけてお過ごしください。
では、またです。